アマプラで『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』(2013)というドキュメンタリー映画を観ました。
新川です。どうも。
まぁ、ぼくがソール・ライターを敬愛してる話は過去に何度かしましたので、その経緯は今回省略することにして。彼がどんな人物かということだけ、改めて説明しておきますね。
ソール・ライターさんは、1923年に生まれたアメリカの写真家。50年代から80年頃までファッション・カメラマンとして活躍した一方で、作家としても自身の写真作品(主に「街の風景」を詩的に切り取った作品)を長年撮り続けていましたが、そちらの活動が評価されるようになったのは、なんと80歳を過ぎてから。
というのも、ライターさんは世間の注目を集めることにはあまり関心がないひとだったので、そもそも自分の作品を積極的にアピールしてこなかったんですね。でも彼の作品とその素晴らしさを知る一部のひとたちの尽力で、2006年に初めて作品集が出版されると「こんなスゴい写真家がいたのか!」とアートシーンはひっくり返ります(とくに50年代にカラーフィルムで撮られた作品はあまりにも時代を先取りしていて「ライターこそカラー写真のパイオニア」と評されました)。
かくしてライターさんは、ようやく写真作家として日の目を見ることに。そしてそれから数年後の2013年に、89歳でこの世を去りました。
件の映画は、そんなライターさんがまだ生きてたころに行われたインタビューとその暮らしぶりを記録したドキュメンタリーで、ぼくは今回初めて観たんですけど「動いて喋るソール・ライター」を見て、ぼくはますます彼のことが好きになりました。
だって、冒頭から最高なんですよ。なんか神妙な顔した気難しそうなジイさん(ライター)が、カメラの前で新聞をめくりながら「こんなもん撮ってどーすんだ」とか「ワシの映画なんか作ったってしょうがないだろ」とか「断じて言うが、ワシは映画に撮られるような人間じゃないゾ」みたいなことを延々ブーブー言い続けるわけ。
でもそのあと、ちょっと間を置いて「・・・まぁ、別にいいけど。・・・今の場面、冒頭に使うのはどうかね?」とか言って笑うの(笑)。ぼく、こんなジイさん大好きなんですよ。この映画を観て、ソール・ライター本人もすごく魅力的なひとだったことを知りました。いや、このひとは映画に撮られるべき(笑)。
あと改めて思いましたけど、とかく芸術家が翻弄されがちになる自己顕示欲や承認欲求とは、ほんと無縁なんですね、このひとは(笑)。いい意味で「自分のことなんかどうだっていい」と思ってるひと。自己否定とも謙遜とも違う意味で。それが本人の飄々とした佇まいに表れてましたよ。なんてさわやかなんだろう。やっぱりこういうひとには、ぼく、憧れますね。こんなジイさんになりたいって思いました(笑)。
だから、この映画の撮影直後にライターさんは亡くなってしまったので、監督のトーマス・リーチさんには、よくぞ撮ってくれましたと言いたいです。こんな素敵な人物の映像を残してくれてありがとう、と。興味を持たれた方は、ぜひご覧になってみてください。
それではまた。