原田マハの短編小説集『〈あの絵〉のまえで』(2022/幻冬舎文庫)を読了。
原田マハさんの本ぼく初めて読んだんですけど、すごく良かったです。
新川です。どうも。
なんでこの本を手に取ったかっていうと、先々週、千葉県で記録的豪雨が降って大変な被害が出たってニュースがありましたでしょ。まさにその日、ぼく千葉の実家に帰省してて。ほんとはその日の夜に自宅に戻るつもりだったんだけど、もう外に出るのはヤバい状況だったんで一泊することにしたんです。
で、寝る前のヒマつぶしになんか本でも読もうと思って、居間の本棚(そこにあるのは主に母のコレクション)を漁ってみたら、件の本が目に入って。
「そういえば原田マハって、いっぺん読んでみたかったんだよな」ってことを思い出して、寝室に持ってってベッドの上で読み始めたわけ。
そしたら最初の数ページで「あ、これ好きかも」ってなったんですよね。まず文体がぼくの好みだったんです。で、あっという間に1編読み終えて、2編目を読み終えると「これ完全にぼくの好きなやーつー」(笑)。
というわけで後日書店に行って、改めて本を購入して読了した次第です(やっぱり気に入った本は自分で買って持っておきたいですからね)。
『〈あの絵〉のまえで』というタイトルが示す通り、ゴッホやモネといった有名な画家たちの名画をモチーフにした、6つの心温まるショートストーリーで構成された内容なんですけど、意外だったのは、ぼく原田マハってもっと気取った文体で気取った話を書く作家だと思ってたんですよ。勝手に(笑)。だからこの本も、クリムトの絵を使った表紙とこのタイトルから、なんとなくパリかどっかを舞台にした洒落た大人の恋模様みたいな中身をイメージしたんだけど、ページを開いてみたら、いきなりカープ・ファンの広島のオバチャン一家の話が始まって(笑)。
そういう思いっきり等身大の日常感全開の人物や出来事が、とぼけたユーモアを含んだ親しみやすい文体で書かれてたんです。その意外さに驚くと同時に、一気に好感を持ったんですよね。そしてその世界観に(まるで関係ないように思える)ゴッホやモネやクリムトを絡めてくる作劇のセンスも素晴らしいと思いました。
これから原田マハさんの本、他にも色々読んでみようと思います。
だからこないだは大雨で足止めを食って、むしろラッキーでした。おかげでお気に入りの一冊と出会えたわけですから。やっぱり素敵な出会いって、偶然がもたらすものなんですよねぇ。
それではまた。