先週に続いて、今週もネタバレ映画レビュ~。
新川です。どうも。
これ、もう新企画にしようかな(笑)。いや、前回『MaXXXine マキシーン』(2025)という映画の感想を、同じくこの映画をご覧になった方だけを相手にする形で、説明省略&ネタバレ全開で話してみたら楽しくて(笑)。
いつも観た映画の感想を話すときはいちおう観てないひとにも配慮をするんだけど、そのリミッターを外して、それこそ謎めいたラストシーンとかに思いっきり言及できるのってやっぱり気持ちいいなぁと。
なのでもう独りよがりと言われてもかまいません(笑)。今回も同様のスタイルで、今週アマプラで観て面白かった映画、吉田大八監督の『敵』(2025)の感想を話してみようと思います。改めて言っておきますが、この映画をご覧になっていない方への配慮は一切してません。ご容赦ください。
(以下ネタバレ注意)
というわけで『敵』なんですけど、結論から言うとぼくの大好物(笑)でした。ああいう夢と現実がゴッチャになってワケわかんなくなってく映画、大好きなんですよ。長塚京三さん演じる主人公・儀助が迷い込む悪夢の世界に酔いしれました。
もっとも話は謎だらけでしたけど(笑)、なんと言っても気になるのはタイトルにもなっている「敵」とは何か?ってことですよね。
これはぼく、儀助がずっと向き合うことを避けてきた「自分自身」のことだろうと解釈しました。
あの儀助という男は、どうしようもないカッコつけ野郎なわけでしょ(笑)。カッコ悪いことが大嫌い。だから老いぼれてズルズル長生きするなんて自分の美学に反するから、老後は蓄えが尽きたら潔く死んでしまおうなんて考えてる。
でも、いざその日が近づいてきたら、おそらく彼の無意識の中で「やっぱり死ぬのはヤダ!」とか「もっと生きて女とイチャイチャしたい!」とか(笑)、彼にとっては醜くてカッコ悪い本性が次々と露呈し始めて。それが悪夢となって彼を襲い、追い詰めていく・・・そんな話だったんじゃないかな、と思いました。
だから終盤、儀助が縁側で穏やかに庭を眺めてるシーンがありましたよね。あれは儀助がもう死んでしまったことを意味してたんだと思いますけど(結局どうやって死んだのかはよくわかりませんでしたが)、死んでしまった以上もうカッコつける理由はなくなったわけですよね。だからあそこは煩悩から解放されて・・・つまり「敵」が消え去って平和が訪れたっていうシーンなんだろうと。
そして「春になったらまたみんなに会える」という儀助のあのモノローグは、ラストシーンから判断すると「春になったら幽霊になって戻ってくるからね」ってことだったんじゃないかな(笑)。
でも、あのラストシーンは一番謎でしたよね。儀助の甥・槙男が、儀助の幽霊を目撃した直後に消えてしまうという・・・。あれ、なんだったんでしょう(笑)。
うーん・・・見てはいけないものを見てしまったから、存在を消されたってことなのかな。・・・誰に?(笑)。それとも、見てはいけないものを見てしまった人は、死を招き寄せてしまう・・・そんなことを表したシーンなのかも。それは儀助にも当てはまるような気もするし。どうだろね。
でもこの謎に関してはぼく、解けなくても全然オッケー(笑)。この「わからなさ」が好きですから。
それではまた。