『Neon Planet』を聴いてくれたみなさん。そして、気に入ってくれたみなさん。
どうもありがとう。とっても嬉しいです。作って良かった(笑)。
新川です。どうも。
というわけで『Neon Planet』特集。まぁ、これまでも制作レポート的な話はちょいちょいしてましたけど、具体的にどんな音楽をどうやって作ってるのかについては触れてこなかったので、アルバムを出した今だからできるそのへんの話をですね、これからじっくりしていこうと思います(長くなるので、超絶ヒマなときにでも読んでくださいね)。
まず以前の「お知らせ」のときにも話しましたが、ぼくなりに「新しいポップス」を作ってみようというところから、今度のアルバム制作はスタートしました(ちなみに当時のブログでは「新しい音楽を作る」って言ってたんですけど、ぼくの場合それはもちろんブッ飛んだ前衛音楽ではなくポップ・ミュージックに限った話だったので、ちょっと言い方を直しました)。
でも漠然と「新しいポップスを作る」と言っても、雲をつかむような話です。そこでまずはアルバムを通じて「描きたい世界」を決めることにしたんですけど、それについてはもうずいぶん前から「夜の都会をイメージしたアルバムを作りたい」っていうアイデアをあたためていたので、即決でした。今こそそれをやろうと。だから「夜の都会」をイメージさせるようなポップスを、新しいサウンドで表現してみようってことですよね。
で、「夜の都会」っていうと、ぼくの中ですぐに思い浮かぶイメージは、ビルのネオンサインなんです。
それも、一定のパターンでキラキラした動きを繰り返すようなやつがあるじゃないですか。文字がひとつずつ点滅したり、かと思えば全体の色味が反転したり、はたまた縞模様が縦横に流れるような動きをしたり。
有楽町とか夜行くとその手の「動くネオンサイン」がひしめいてますけど、あれを眺めるのが、ぼく子どものころから大好きなんですよ。なぜか。見ていてワクワクすると同時に(どうしてなのかわからないけど)ちょっぴりセンチメンタルな気持ちにもなる。昔から不思議と心を惹かれるイメージのひとつなんです(「それ、わかる」ってひと、います?)。
でね・・・まぁ、いったいどれだけのひとが共感するのかわかんないけど、その感じを音楽で表現したいなと思って(笑)。その、「一定のパターンで繰り返されるネオンサインの動き」をビートに置き換えてみたらどうだろう?と思いついたんです。
そこで試しに(なんとなくネオンのイメージに合いそうと思って)Rolandのドラムマシーン、TR-808の音を使って、ネオンサインの動きを「ビート化」する実験をやってみたわけ。
たとえば、文字がひとつずつ点滅する様子は、スネアドラムの音を使って
「ピシッ、ピシッ、ピシッ」とかね(笑)。
「色味の反転」は、キック(バスドラム)を使って
「ボンッ、ボンッ」。
「流れる縞模様」は、ハイハットを32音符で打ち込んで
「チリリリリリリリ」という音で表現。
で、それらのフレーズを一定のテンポで順々に鳴らしてループさせてみたら、とりあえずネオンサインっぽい感じは出ました(笑)。ぼくの好きな「動くネオンサイン」を聴覚で捉えてるような感じにはなりましたよ。ただ、それだけではさすがにつまらないので(笑)、もっと音楽的に聴こえるように色々アレンジを加えていきました。
それこそ808のハイハットが「チリリリ」なんて鳴ってるから、(ヒップホップで多用される)トラップ・ビートっぽくしてみたり。あと、都会の空間的な広がりを表現するためにエコーをうっすらかけてみたり。
そのうち発想自体を広げて、「ネオンサインがきらめく夜の都会のイメージ」をドラムビートだけで表現してみようと、もっと自由にいろんなパターンを作って遊んでみたんです。
それをぼくは「ネオン・ビート」と勝手に名付けたんですけど(笑)、我ながらなかなかフレッシュなサウンドだと思ったんで、「このビートを使えば新しいポップスが作れるかもしれないぞ」という可能性を感じました。
ポップ・ミュージックのジャンルをわかりやすく決定する要素は、やっぱりリズムですからね。そのリズムを担うドラムビートが新しいものであれば、それは「新しいポップス」として機能するだろうと・・・まぁ、安直な考えですけど(笑)、でもとにかくぼくはそのビートを気に入ったので。
「ネオン・ビートのアルバムを作ろう」っていう最初の大きな方向性が、そこで定まったわけです(同時にアルバムのタイトルに「ネオン」という言葉を使うことも)。
じゃあ、ネオン・ビートという「土台」は出来た。今度はその上にどんな曲をのっけようか?という話なんですけど・・・。
それはまた長くなってしまうので(笑)、次回にしますね。
それではまた。