2017年1月27日金曜日

映画「Re:LIFE~リライフ~」。


モノマネのレパートリーに、「困った顔をするヒュー・グラント」というネタを加えようと練習中なんですが、全然上手くいきません。
新川です。どうも。

ヒュー・グラントは、けっこう好き嫌いが分かれる俳優らしいですけど(笑)、ぼくは大ファンで、彼の主演したラブコメ映画はだいたい観てます。
とりわけマーク・ローレンス(脚本/監督)と組んだ「トゥー・ウィークス・ノーティス」(2002)、「ラブソングができるまで」(2007)は大好きな作品です。
個人的に理想のエンターテインメント映画なんですよね。最初から最後まで気楽に観ていられるっていう(笑)。心苦しくなるシーンがないのがいいんです(それが物足りないというひとも多いんでしょうけど)。

そんなマーク&ヒュー・コンビの、今んとこの最新作が「Re:LIFE~リライフ~」(2014)という作品で、先日DVDで初めて観たんですが、これが素晴らしかった。
ヒュー演じる主人公キースは落ちぶれた脚本家で、お金に困って「脚本学校の教師」という仕事に渋々就くことになるんですが、生徒たちとの交流を通じ、やがて人生を前向きに見つめ直していく・・・という物語で、今回はラブコメじゃなく、主人公の心の成長に焦点を当てたヒューマン・ドラマになっています。
とはいえ、相変わらず気楽に楽しめるコメディ・タッチはそのままに、しかしこれまでよりもグッと味わい深い内容になっていて、まさに円熟に達したコンビのオトナな作品に仕上がっていると思います。
とくにラストのカットで、とある伏線が回収されるんですが、その瞬間の「うわ~!イイ話~!」感はハンパないです(笑)。本当に見事な脚本です。
終盤、キースがハリウッドのエージェントに「落ちぶれた脚本家が脚本学校で教える話というのはどうかな?」なんてことを言うんですけど、「あれ?これってひょっとしてマーク・ローレンス本人の話?」と思わせる、ちょっと「メタ」な構造を持った作品にもなっています。実際、前作の「噂のモーガン夫妻」(2009)が、あんまり芳しくなかったっていう事実ともリンクしてますし(笑)。

個人的に感銘を受けたのは、脚本の授業のシーン。こんなやりとりがあります。
ビミョ~な内容の脚本を書いてきた女生徒(しかも、それをみんなの前で嬉々として読み上げて失笑を買います)に、キースはこう尋ねます。
「・・・ひとつ質問していいかな?なぜ、その物語を書こうと思ったんだい?」
「なぜかって?・・・さぁ、わからないわ」と困惑する女生徒。
キースは言います。
「脚本を書くという作業は、海に飛び込むようなものなんだ。‘‘衝動’’という救命艇がないと死んでしまう。・・・‘‘書きたい理由’’に、必死でしがみつけ」

脚本に限らず、小説や作詞も含め、「物語を作る」ことに興味のあるひと、今作っているひと、これから作ろうとしているひとに、ぜひオススメしたい映画です。

それではまた。