2022年7月22日金曜日

ダメだ。


先日DVDで、沖田修一監督の『子供はわかってあげない』(2021)という映画を観たんですが・・・久々に「この映画はダメだ」と思いました。

新川です。どうも。


何がダメかというと、ぼくが一番泣いちゃうタイプの映画だった(笑)。それも胸がキュンキュンし過ぎて泣いちゃうやつね。胸キュン号泣映画でした。

ストーリーは、上白石萌歌さん演じる女子高校生が、幼いころに母親と別れた実の父親を訪ねて数日間をともに過ごす、というハートウォーミングな「親子の絆」モノだったんですが、同時に「高校生の青春」モノでもあり、「ひと夏の出来事」モノでもあり・・・だから、おじさんが泣いちゃう要素そろってるんですよ(笑)。いちおうコメディ・タッチの映画ではあるんですけど、出てくるモチーフがいちいち涙腺を刺激してくるんですね。

だって、夏服の女子高校生がチューチューアイス食べながら校庭で楽しそうに会話するシーンとか出てくるですよ。ダメでしょ、そんなの(笑)。ラストの学校の屋上での告白シーン(めでたく両想い成立)に至っては「もう無理!」という感じで、ついに涙腺が大決壊してしまいました(ドシャ~)。

・・・この感覚って、若いひとにはちょっと理解できないかもしれませんね。でも中年になると、こうなっちゃうんです。まぁ、ぼくはだいぶ重症なんですけど(笑)。


これはぼくなりの分析ですけど、たとえば「昔を懐かしむ気持ち」って、トシをとればとるほど強いものになっていくでしょ。だから何か懐かしいものに触れると人はあたたかい気持ちになるものですけど、その「あたたかい」が、だんだん「熱い」に変わっていくわけですよね。ほら、昔好きだったマンガやアニメの話を、中年のおじさんってやたらと熱く語ったりするじゃない(笑)。

で、そのうちに「心があたたかくなる」もの全般に対して、熱い気持ちを抱くようになるんじゃないかと思うんです。トシをとると涙もろくなるっていう現象も、そのせいなんじゃないかと。

それこそ胸がキュンとするような微笑ましい場面にも、「微笑む」どころじゃ済まなくなって、もはや泣きそうになってしまう・・・。だからキャッキャッいってる女子高生を見て泣きそうになったら、キミも中年になったと思いなさい(笑)。


というわけで、件の『子供はわかってあげない』。「ダメだ」と言いつつ、大っ好きな映画でした(笑)。TSUTAYAに返す前に、もっかい観ます。


それではまた。