数ヶ月前に劇場で見逃した映画『MaXXXine マキシーン』が、早くもアマプラで配信されててビックリ。さっそく観ちゃいました。面白かったぁ。
新川です。どうも。
『X エックス』(2022)、そして『Pearl パール』(2023)に続く、タイ・ウェスト監督/ミア・ゴス主演の血みどろホラー三部作の完結編となる本作。まぁ、例によって万人にオススメできる映画ではありませんでしたが(笑)、前二作を高評価しているぼくにとってはエキサイティングな一本でした。
・・・ところでこのあと映画の感想を述べていきますけど、スミマセン、今回はぼくと同じくこの三部作を全部観たという方だけを相手に話をさせてもらいます。って、これ読んでるひとの中に何人いるかわかりませんけど(笑)。というのも、さすがに映画三本分の概要を、ネタバレを回避しつつ説明しながら話を進めるのは無理があるので。なので、これからこの映画を観ようと思ってる方、もしくはまったく興味がない方は(笑)ここで読むのをおやめになってください。
(以下ネタバレ注意)
で、『MaXXXine』。まぁ、この三部作全部ひっくるめて、ひとことで言うと「おそろしい因縁話」でしたねぇ。
一連の物語の主人公・マキシーンとパールって、異常な状況で偶然出会いはしましたけど、もともと年代も境遇もまったく違う他人同士ですよね。でも、その二人のそれぞれの物語を見せられていくうちに、我々観客は、実は二人の人生が不気味な因縁で繋がっていたことに気づかされる・・・そこがコワいんです。映画はオールドスクールなスプラッター・ホラーなんだけど、それ以上にコワいものを観てる感じがしてくるのが、この三部作の非常に面白いところです。
だから『MaXXXine』のクライマックスでマキシーンは、実は連続殺人事件の犯人だった自分の父親の脳天をショットガンで盛大に吹っ飛ばしますけど(笑)、あそこはゴアシーンとしてのインパクト以上に「うわ~、やっぱりマキシーンも自分の親を殺しちゃうんだ」っていう重みが効いてましたね。
で、更なるポイントは、物語のエンディング。パールは親殺しのあと殺人鬼という「怪物」になってしまいましたが、じゃあマキシーンもやはり同じ運命をたどって、あのあと怪物になってしまうんでしょうか?・・・まぁ、なるんでしょうね(笑)。それはもう『MaXXXine』の冒頭に出てくるベティ・デイビスの言葉と、ラストの「変わり果てたマキシーンの姿」が暗示してますから。
ただパールと違ってマキシーンは、なんとか映画女優としての第一歩を踏み出したところで話が終わるので、あのあと殺人鬼になるとは考えにくい・・・。だからそれとはまた別種の「怪物」になっていくんでしょうね。それがどんな存在なのかは、我々観客の想像に委ねられるっていうのも気の利いた幕切れでした。
ちなみにぼくが想像してるのは・・・あのあとマキシーンは、父親を殺す直前に夢想したように見事映画スターになるんです。でも、映画スターの夢を絶たれて殺人鬼になったパールの亡霊が取り憑いてますからね。だからそのタタリのパワーで、マキシーンが出てる映画を観たひとは全員呪われるっていう(笑)。そんな展開も面白いんじゃないかと思ってるんですけど、どうでしょう?そういう怪物になっちゃうの。
それではまた。