アマプラで『春の画 SHUNGA』(2023)という映画を観ました。江戸時代のポルノグラフィー「春画」の世界に迫ったドキュメンタリーです(R-18指定)。
新川です。どうも。
ちなみにぼくは、このジャンルに関してはまったくの門外漢。もちろん知ってはいましたけどね。ただ、学生のころ美術書で初めて春画を目にしたときは、やっぱりドン引きしました(笑)。
ご存知のように現代の日本では、視覚芸術全般においてセックス・シーンが描かれる場合「肝心の部分」は伏せられるのが常識です。が。春画では、その「肝心の部分」が思いっきり描かれてるわけです(笑)。男のも女のも。無茶苦茶リアルに。しかもサイズだけがデフォルメされてて、異常にデカい(笑)。
それで「うわっ、エグッ、気持ち悪っ」てなっちゃって(笑)。以来、春画にとくべつ関心を持つことはありませんでした。ぼくにはディープ過ぎる世界だと思って。
ところが先日、やはりアマプラで何気なく観た塩田明彦監督の『春画先生』(2023)という映画が思いのほか傑作で、映画の題材になっていた春画の世界ににわかに興味が湧いて。その『春画先生』に合わせて企画されたらしい件のドキュメンタリー映画『春の画』もついでに観てみたというわけです。いや、面白かったですね。おかげでこれまでの春画に対する認識がだいぶ変わりました。
とくに興味深かったのは、江戸時代の春画は「笑い絵」とも呼ばれていて、男も女も関係なく親しい者同士でワイワイ言いながら眺めて楽しむものだったという話。決して男性が一人だけでこっそり観るものとは限らなかったんですね。
それどころか、当時は「嫁入り道具」に春画を持たせる風習があったんだそうです。「え?」って思いますよね(笑)。それはつまり、新婚のカップルをセックスに導くもの、すなわち「縁起がいいもの」だと思われてたらしいんです。
だから今のポルノグラフィーとは趣が全然違うものだったんですね、春画って。ひいては、江戸時代の日本人の性に対する考え方そのものが、現代人とは全然違うものだったということがわかりました。
要は、セックスとかセックスへの欲求っていうものを、もっとオープンでポジティブに捉えてたってことですよね。男も女も。それらは恥ずかしいことでは全然なくて、あくまで「良きこと」だった。
だから全盛期のプリンスの歌の世界とおんなじですよ(笑)。プリンスはまさにそういう感性でセックスを歌った曲をたくさん書いたひとですからね。
だから江戸時代の日本人にプリンスを聴かせたら絶対ウケると思うんだけど(笑)、どうでしょう。
それではまた。