2021年5月7日金曜日

金太郎飴。


久しぶりに『用心棒』(1961)なんて映画を観直しました。

いやー、改めて観ると、やっぱり面白いですね。名画。

新川です。どうも。


言わずと知れた「世界のクロサワ」の傑作時代劇アクションですが、今リメイクかリブートしても面白いかもしれない。『シン・用心棒』みたいな(笑)。

でも主役のキャスティングが難航しそうだなぁ。オリジナルの「世界のミフネ」に匹敵する役者さんが、今はなかなかいませんからねぇ。

2000年代に一度、同じく黒澤明監督/三船敏郎主演の『椿三十郎』(『用心棒』の続編です)が、織田裕二さん主演でリメイクされたことがありましたけど、そんときの織田さんがヒドくて(笑)。

いや、芝居の上手い下手とかじゃなくて、単純に役に合ってないの(笑)。一部で評判になるくらいのミスキャストだったんです。

ちなみに『椿三十郎』の主人公は(『用心棒』と同じく)流れ者の侍で、やたらと腕っぷしは立つけれども口の悪い無骨者ってキャラなんですね。もうその時点で織田さんは違うじゃないですか(笑)。

まぁ、侍の格好したとこまではオッケーですよ。織田さんカッコいい。でも台詞を喋った途端、レーザービームのように違和感を放ちまくるわけ(笑)。「てめぇらのやることはあぶなっかしくて見ちゃいられねぇ!」みたいな台詞を言うんですよ。あの織田さんが。こっちが見ちゃいられないっていう(笑)。

でも今思えば、それでも大健闘だったんでしょうね。あの「世界のミフネ」のハマり役を今演じられる俳優がほかにいるか?って考えたら、やっぱりあの時点では織田裕二さんしかいなかったんでしょう。たぶん。どうかな(笑)。

今だったら、阿部寛さんなんかいい線いくかもしれませんね。三船敏郎はもう別格として、また違った魅力を見せてくれそうな気がします。


でもそう考えると、やっぱり三船敏郎さんみたいなタイプの男優って、もう「絶滅」したのかもしれないですね。ああいう男くさい魅力にあふれたスター。ハリウッドで言えば、チャールズ・ブロンソンみたいな。口ヒゲが似合うようなね。

今の男性スターはみんなどこか中性的でしょ。「男らしさ」っていうのが、いつの間にか「売り」にならなくなったんですよね。

個人的には、またそういうスターが出てきてほしいですけど。ザ・男!って感じの。当然、胸毛も腕毛もジョワジョワです。もう「男」って書かれた金太郎飴みたいに、どこを切っても、男!男!みたいな(笑)。


それではまた。