2022年6月17日金曜日

シャマラン先輩。


先日DVDで、M・ナイト・シャマラン監督の『オールド』(2021)という映画を観たんですが・・・これぞシャマラン!でしたね(笑)。最高。

新川です。どうも。


長年の「シャマラニスト」のぼくとしては、嬉しい気持ちになると同時に心温まる作品でもありました。「相変わらずだなぁ、いいなぁ」と。内容はスリラーなんですけどね(笑)。

その場にいるだけで、肉体が30分で1年分成長/老化してしまうという謎のプライベートビーチに閉じ込められた旅行客一行のパニックを描いた物語だったんですが、案の定ツッコミどころ満載(笑)。

思わず「ズルい!」と叫びたくなる都合のいい展開。「・・・このひと、ずいぶん前からここにいるのに、あんまトシとってなくね?」というディテールの甘さ。怖がらせようとしてるのか笑わそうとしてるのかよくわからない(それ以前にそこで必要なのかどうかもよくわからない)ホラーシーン・・・etc。

これぞシャマラン!ですよね。そこがいい。ことシャマラン映画に関しては、こういったことで腹を立ててはいけないんです。そこを愛でる(笑)というのが正しい鑑賞法です。そうそう、おなじみの「あっと驚く結末」(いろんな意味で)もキマッてましたね。


ご存知ない方のためにいちおう説明しておきますと、このM・ナイト・シャマランというひとはインド系アメリカ人の映画監督で、デビュー作の『シックス・センス』(1999)で一躍脚光を浴びたものの、その後は作品を撮るごとにどんどん出来がヒドくなっていくので(笑)、概ね酷評され続けてるひとなんですね。

とはいえ、どの作品も毎回趣向を凝らした奇抜なストーリー展開が話題になってそこそこヒットしてるので、未だハリウッドで活躍を続けているという非常に変わった立ち位置のひとです。

ですから、映画の職人としての腕は一流なんですよ。フツーに「これはスゴい」と思わせるカットを撮る監督なんです。それなのに脚本/演出上では「これはヒドい」と言うほかないツッコミどころをガンガンに盛り込んで、せっかくの腕前を台無しにしちゃってるんです。なんでそういうことするかな(笑)。

でも、そんなシャマランの「我が道」を行く姿勢・・・明らかに方向を間違えているとはいえ(笑)、したたかに突き進んでいく姿勢に、やっぱりぼくみたいな変わり者はどうしようもなく魅力を感じちゃうんですね。そういうファンや「擁護派」のひとたちが、いわゆる「シャマラニスト」と呼ばれてるわけです。


だからぼくがシャマラン映画を観て嬉しくなるのは、同じ作り手として「キミもキミの好きなように作品を作ればいいんだよ」っていうエールを送られてるような気持ちになるからなんですよね。「せ、先輩!」みたいな(笑)。

なので今回の『オールド』を観てですね、改めてシャマラン先輩を見習って、ぼくもやりたい放題やらなきゃと(笑)、背筋を伸ばした次第です。


それではまた。