先日ウチの父が、いわゆる「特殊詐欺」の被害に遭ってしまいました。
新川です。どうも。
いや、驚きましたね。まさか父がそんなものに引っかかるなんて。何しろ冷静かつしっかり者でおなじみのひとですから。
だから最初に母から連絡を受けて事件の概要を聞いた段階では、「えっ?そんな話に引っかかって、よく知らないヤツにお金渡しちゃったの?あの父さんが?・・・もうトシだな!」と(笑)。もう親父も引退だな、とか(笑)思ったんですけどね。でも後日、本人に直接詳しい話を聞いてみたところ「あ、それはダマされるかも・・・」と思いました。
具体的にどんな手口だったかという説明は長くなるので省略しますが、たしかに「よく出来た話」なんですよ。なんならちょっと感心しちゃいました(笑)。そこらへんのオレオレ詐欺なんかとはレベルが違う、明らかに複数の人間が周到に計画した作戦であることがよくわかるんです。全ては電話のみのやりとりだったとはいえ。
もっとも、お金を要求されるくだりだけを聞けば、「そこで気づけよ!」とツッコミたくはなるんですけどね(笑)。冷静に考えれば「絶対これ詐欺だろ」と、誰もがその瞬間に気づくと思いますから。
でも父は気がつかなかった。なぜか?・・・その時点で、父は持ち前の「冷静さ」をすっかり奪われていたんです。連中の巧妙な話術によって。
一連の話の流れをたどると、ちゃんと「段取り」が組まれてることがわかるんです。
まず、父を不安にさせるような話を、これでもかとばかりに次から次へと聞かせる。で、さすがの父も混乱し、冷静な判断力を失ったタイミングで、「まぁ、落ち着いてください。これだけのお金を用意して頂ければ、ひとまず収拾がつきます」といった具合に話を持っていく。それを聞いた父は、とにかく不安な状態から早く解放されたいという心理が働いてますから、半ば思考停止状態に陥り、つい言われた通りにしてしまう・・・。
おそらく、これが詐欺のメカニズムなんでしょうね。ダマされていることに「気づかない」のではなく、「気づけない」状態にされちゃうんですよ。要するにマインド・コントロールで。コワくない?でも、おかげでひとつ勉強になりましたよ。
なので両親には、今後は知らない相手から突然かかってきた電話には出ないようアドバイスしました。結局ひとをダマすエキスパートが相手となったら、話を聞いてしまった時点で、もうこちらに勝ち目はないことがよくわかったので。
ちなみに事件は現在警察が捜査にあたっています。みなさんもお気をつけください。今日の話が、同様の詐欺被害の再発防止につながれば幸いです。
それではまた。