歌詞を書く作業をしていると、ときどき何の脈絡もなくワケのわからない言葉が「降りてくる」ことがあります。
新川です。どうも。
先日、超カッコいいメロディーの曲が出来上がったんで、さっそく歌詞も考え始めたんですよ。
例によって、まずは適当に選んだ短いフレーズに、何かしらの言葉を当てはめてみるところから始めて(ちなみにこの時点では、まだどんな内容の歌詞にするのか思いついていません)。で、それは音符7つぶんのメロディーだったんで、そこに上手い具合にのっかるような7文字の言葉をいろいろ考えてたんです。あーでもない、こーでもないと。
すると突然、「あねのおさがり」っていう言葉がひらめいて(笑)。自分でも笑っちゃったんですけどね。「なんだよ、それ?どっから出てきたんだ?」と。いや、だから「降りてきた」としか言いようがないんです(笑)。
いちおう、最後の音は母音が「い~」になっててほしい、っていうのが唯一の伏線ではあったんですけど。で、「あねのおさがり~」。
でもメロディーにはバッチリ合ってるんですよ。声に出して歌ってみたときの語感はすごく気持ちがいいわけ。だから一瞬採用にしようかと思ったんだけど(笑)、さすがに「姉のお下がり」はねぇよなと。もうヘンタイが主人公の歌しかイメージできなくて(笑)あっさりボツです。
でも後日気がついたんですけど、女の子の歌だったら、「姉のお下がり」って意外と悪くないモチーフなんですよね。そこから、たとえばコンプレックスをテーマにした歌とか書けそうじゃないですか。
「小さいころのお洋服は いつも姉のお下がり」とかさ。歌のフレーズとしては全然アリですよね。なんなら「今のカレも 姉のお下がり」とか(笑)。お姉さんの元カレと付き合ってるって設定にしてね。そういうユーモアの表現にも使えるし、あるいは、「自分だけのもの」をまだ手にすることができずにいる若者の悩みや苛立ちみたいな話に展開してもいいし。
だから語り手を中年のおじさんから若い女の子に変更すれば(笑)、全然歌になるんですよ、「姉のお下がり」。
こんな風に、言葉ひとつで歌詞の世界ってけっこう膨らませていけるものなんですけど、それにしても当初はまったく使えないと思ったモチーフでも、視点を変えるだけで同様の力を発揮することもあるんですねぇ。当たり前といえば当たり前ですけど、これはちょっと発見でした。
それではまた。