2022年9月30日金曜日

天国に行っていい。


「サブスク」をめぐるアーティストの様々な意見は、そのどれもが正しいとぼくは思っています。「そんなのズルい」と言われそうだけど(笑)。

新川です。どうも。


先週でしたか、シンガーソングライターの川本真琴さんが、ツイッター上で「サブスクというシステムを考えたひとは地獄に落ちてほしい」というような発言をしたとかで、ちょっと話題になりましたよね。それが一部で物議を醸し出したみたいで。

でも後日、川本さんは、件の発言は音楽活動をしているひとたちにとってサブスクの収益がいかに少ないかという現実を知ってほしくてしたものだった、という真意をご説明されて・・・もともとは音楽の道を志す仲間を思う、やさしいお気持ちから発せられたメッセージだったんですよね。で、まぁ「地獄に落ちろ」と(笑)。

でも、川本さんのようなキャリアを持つアーティストなら、やっぱりそれぐらいのことを言いたくなるのも無理はないと思うんです。だって若いときから自分のレコードやCDがたくさん売れて、それで生活が成り立っていた(もちろんそれだけの才能と実力があったからですが)という時代を経験してしまったら、それまでの音楽業界の常識を覆したサブスクなんてサービス、カンタンに受け入れられるワケないじゃないですか。ぼくなら絶対受け入れられない(笑)。もう、人一倍昔のことに固執する人間ですからね(笑)。


しかしながら(幸か不幸か)そのような経験を持たないぼく自身は、いちアーティストとして「サブスク」というものをどのように評価しているか?その答えは、賛否でいうと、完全に「賛」です。

まず大前提として、ぼくはあくまで趣味として音楽を作ってるだけのアマチュアで、それでお金を稼ごうなんてそもそも考えてないわけです。もちろんお金になったらそれはそれで嬉しいけど、でも基本的には、カタチはどうあれ作品を発表できればそれだけでハッピーなんです。

そういう作り手にとっては、今や音楽を聴く主要メディアでありながら、個人でも気軽に作品を配信することが可能で、なおかつ再生されるたびに(微量とはいえ)お金が発生し続けるサブスクというシステムは、もうありがたいものでしかない(笑)。川本さんとは真逆になっちゃいますけど、ぼくに言わせれば、サブスクを考えたひとは天国に行っていい(笑)。


だから、こればっかりは「人による」としか言いようがないんですよ。アーティスト目線の「サブスク」の評価は、結局のところ、そのひとがどういうスタンスで音楽をやっているかによって賛否両論にならざるを得ないんです。だから「みんな正しい」と思うんですけど、どうでしょう。やっぱ、こういう答えはズルい?(笑)


それではまた。