2023年8月11日金曜日

ほぼ怪談。


・・・夏らしく、たまには怖い話でもしましょうか(ひゅ~、どろどろ)。

新川です。どうも。


と言ってもぼく、怖い話の持ちネタってひとつしかないんですけどね(笑)。しかもそれは、いわゆる「怪談」じゃありません。

でも、ほぼ怪談と言ってもいい怖いエピソードなので、今日はその話をします。今から20年以上も前に聞いた、ぼくの友人の友人であるAさんという男性の体験談です(記憶が曖昧なディテールは脚色しています)。


***


その「出来事」があった当時、Aさんはまだ実家住まいの大学生。実家は郊外を流れる河川のすぐ近くにあったため、Aさんはいつも川の脇の土手の上を歩いて最寄りの駅まで行き、そこから電車に乗って都内の大学へ通っていました。

そのころAさんは、大学で知り合ったBさんという女の子に付きまとわれていて、それが大きな悩みのひとつでした。要するにストーカーですね。

Bさんのストーカー行為は、Aさんが大学を卒業するまで断続的に繰り返され、しかもその内容は回数を重ねるごとに気味の悪いものになっていきました。どうやらBさんは、かなり精神を病んでいたようです。

そんな中「あれはとくに怖かった」とAさんが語る出来事というのが・・・。


ある日のこと。その日はいつもより早く学校に行かなければいけない用事があったAさんは、朝のかなり早い時間に家を出て、まずはいつものように近くの川へと向かいました。そして、いつものように階段を使って土手の上まで上がった瞬間、そこで目にした光景にAさんは思わず息を呑みました。

まだ人けのない早朝の淡い日差しの中、川を挟んだ向かい側の土手の上に、こちらをじいっと見ているBさんが立っていたそうです。

それなりに距離があったので、Aさんのいる場所からBさんの顔の表情まではよくわかりませんでしたが、「こっちを見ている」ことだけは明らかでした。にも関わらず、BさんはAさんに向かって手を振るでもなく声をかけるでもなく、その場に立ったまま身動きもせず、ただただAさんを見ているだけだったということです。


***


と、まぁ、それだけの話なんですけど、メチャ怖くないですか?これ。

Aさんを怖がらせようという意図があったかどうか不明ですけど、「早朝の土手の上で待ちぶせ」っていうホラー演出は、悪い意味で素晴らしいですよね(笑)。Bさんはいったいいつからそこに立っていたのか・・・想像すると背筋が寒くなります。

やっぱり幽霊に出くわすのも怖いけど、こういう生身の人間の狂気に触れる瞬間も同質の怖さがありますよね。

どうでしょう、ちょっとは涼しくなりました?


それではまた。