2024年4月5日金曜日

さかなのこ。


「いいのだろうか?」と言いながら、結局配信映画鑑賞をエンジョイ中。

新川です。どうも。


こないだは沖田修一監督の『さかなのこ』(2022)を観ました。「ギョギョ~」でおなじみ、あのさかなクンの自叙伝をもとにした映画で、若き日のさかなクンがモデルの主人公「ミー坊」を演じるのは、なぜか女優・のんさん。

だから、ちょっとファンタジックなキャラクター設定なんですよね。でもその演出はすごく上手くいってたと思います。さすが沖田監督。

まぁ、映画全体としてはホッコリする佳作という印象でしたけど、ある意味「才能」を巡る物語だったことには、個人的に感じ入るものがありました。


主人公のミー坊は、魚のことがとにかく好きで、魚に関することなら誰にも負けない知識や特技をたくさん持ってるんですね。でも、その特異な才能を「社会」で活かすことができないジレンマに悩むわけ。

ミー坊は、魚以外のことになるとまるでダメなんです。なんなら勉強も仕事もできないタイプなんです。この残酷な構造(笑)。

いわゆる「才能はひとつでは足りない問題」ですよね。才能を開花させるためには、それとは別の才能がほかにも(場合によってはいくつも)必要だっていう・・・ぼくにとっては実に馴染み深い命題です(笑)。


それでも「さかな博士になる」というナイーブな夢を追い続けるミー坊を見ていて、ぼくにもそんな時期があったことを思い出しましたよ。プロのミュージシャンになることを夢見てた十代のころね(30年前)。

あのころは、音楽の才能さえあればプロになれるもんだと思ってたんです。で、自分には音楽の才能があるからプロになれるって思ってたの(笑)。なんてピュアで未熟だったんだろう(笑)。今思い出すと、ちょっとビックリしますね。

でもほどなく、プロになるためには音楽の才能とは別に「プロになる才能」が必要であることと、それが自分には「ない」ことに気づいて、プロのミュージシャンになる夢はあきらめたんです。


もちろん音楽活動はやめなかったわけですけどね。懲りないっていうか(笑)、そこはシンプルに好きだからやめられなかっただけです。そしてミー坊もまた、現実に挫けそうになっても、あくまで「さかな好き」であり続けます。

言うまでもなく、その延長線上に今のさかなクンがいて、ぼくのちっぽけなキャリアもある(笑)。人生は長く生きてみないと、どうなるかわからないものですね。


それではまた。