ニューアルバムのミックス作業が難航中・・・どうやら「ミックスの森」に迷い込んでしまったようです。
新川です。どうも。
具体的には「ヴォーカルをどう聴かせるか?」で、今悩んでます。毎回悩むんですけどね(笑)、これ。
いや、根本的な問題がふたつあるんです。まずぼくのヴォーカルって、一般的な男性ポップスシンガーと比べると、かなりキーが低いんです。ぼく、高い声が出せないんですよ。で、キーの低い男性ヴォーカルって、基本的に複数の楽器のアンサンブルと相性が良くないんですね。そのうえぼくの声は中・低音域が貧弱で、響きも通りも良くないので、バックトラックとの組み合わせを工夫しないとヴォーカルがはっきり聴き取れないんです。
もうひとつの問題は、ぼくは自分の歌声が決して好きではないことです。というか、自分の歌声を客観的に耳にするのが未だに恥ずかしいんですよ(笑)。だからヴォーカルを「そのまま聴かせる」ことが自分ではどうしてもできないので、ダブル(二重録音)にしたり、エコーを深めにかけたり、ローファイな質感にしたり、毎回何かしらの加工を施すわけです。
要するにそれほど「扱いにくいヴォーカル」なので、ミックスの段階においてもその処理を巡って考えなければならないこと、あるいは考え直さなければならないことがキリなく噴出するんですよ。それで「どうしよう?どうすればいい?」とやってるうちに、気がつくと森の中へ(笑)。
まぁ、解決策は必ず見つかるんですけどね。これまで何度も森をさまよってきましたけど、出られなかったことはないですから(笑)。いずれ森を抜けるでしょう。
・・・そういえば、ぼくがLampのアルバム『ゆめ』(2014)のレコーディングに参加したときのこと。
「ため息の行方」という曲で、ぼくはなぜか永井さんの代わりにヴォーカルを担当することになったんですが、そのときぼくは初めて他人のプロデュースで、なおかつちゃんとしたプロのエンジニアさんの手で自分のヴォーカルを録ってもらい、ミックスしてもらったんです。
でも、完成した作品を聴いたときはすごく違和感がありました。曲は素晴らしかったけど、自分のヴォーカルが出てくるところはやっぱり恥ずかしかった(笑)。「こんなちゃんとした録音で聴かせる歌声じゃないのになぁ・・・」と。個人的には、当時も今もあれはやはり永井さんが歌うべきだったと思ってます(おそらく同じことを思ったLampファンも大勢いるでしょう)。
ちなみにこの感想はLampのみんなには内緒にしてたんだけど、だいぶ前の話なのでもうバラします(笑)。
それではまた。