アマプラで「名探偵ポアロ」シリーズの映画3作品(ケネス・ブラナー監督/主演の最近のやつ)を連日鑑賞。ああいう「王道」のミステリーって、いいですよね。ドッシリ安定した面白さがあって。
新川です。どうも。
あと「金田一耕助」シリーズなんかもそうだけど、スゴいなぁと思うのは、事件の真犯人が明かされる場面では「あ~、やっぱりコイツだったのか」なんて思うくせに、そこまでは全然気づけないんだよね(笑)。おんなじパターンの話を何度も観たり読んだりしてるのに、途中で犯人に気づくことがどうしてもできない。やっぱりそこがプロの劇作家の腕前なんですよね。物語を作るひとって本当にスゴい。
だって王道ミステリーの真犯人は「一番犯人じゃなさそうな人物」と相場は決まってるじゃないですか。それなのに「一番犯人じゃなさそう」だから、結局疑うことを忘れちゃうんですよ(笑)。
たとえば事件の被害者の死を誰よりも悲しんでいて、周囲からも同情されている魅力的な紳士もしくは淑女。それこそ事件を捜査する主人公に「なんとしても犯人を捕まえてください!」なんて涙ながらに懇願するような・・・でも、たいてい真犯人そいつじゃん(笑)。
あと主人公の捜査を助けてくれる「献身的な協力者」も危ないですよね。イイやつなんですよ。なんなら事件解明のカギを主人公と一緒に発見して喜んだりなんかするんです。「引き続きこっちでも調査を進めてみます」とか言って。でも実はそいつが真犯人で「味方じゃなかったのかよ!」ってなるやつ。
逆に絶対犯人じゃないのは、見るからに怪しい召使いとか大男の庭師(笑)。いわゆる「ミスリード」をするキャラクターですよね。ただ映画やドラマの場合だと往々にして「ミスリード」が過ぎるために、かえって怪しく見えないっていう(笑)。
だからミスリード・キャラがストレートに真犯人っていう展開のほうが、むしろ意外かもしれない。「たたりじゃ~」とか言いながら村ん中走り回ってる婆さんとかさ。もう、登場した瞬間からめいっぱい怪しさを振りまきつつ真犯人(笑)。これはこれでちょっとビックリしません?
ちなみに「意外な真犯人」にぼくが一番驚いたミステリー作品は、十代のときに読んだコナン・ドイルの長編小説『緋色の研究』。ご存知「名探偵シャーロック・ホームズ」シリーズの第一作目です。
言うまでもなくミステリー・クラシックなわけですけど、この作品を超える意外な展開ってあんまりないんじゃないかな。まさに原点にして頂点ですね。
断言しますけど、この作品に関しては、話の途中で犯人に気づくことは絶対に不可能です。それどころか話自体、途中からワケがわからなくなっていきます(笑)。
でもそれも含めて最後の最後に全ての謎が明かされて、ものすごいカタルシスがあるですよ。たぶん今読んでもフレッシュな興奮を味わえると思います。読んだことがない方は、読書の秋(もう冬だけど)にオススメです。
それではまた。