2013年9月24日火曜日

制作日記。2013.9.24


音楽仲間とのおしゃべりで「いつもどうやって曲を作るの?」という質問をされたとき、ぼくはこれまで「メロディーから作る。その曲がイケるかどうかという判断も最初に思いついたメロディーで決める」と答えていた。
しかし、ここ数年のスランプを経て、そのやり方はもうできないんじゃないかという気がしてきた。
まぁ「もうできない」ってことはないかもしれないけれど、当分の間は「素敵なメロディーが天から降ってくる」のは期待できそうもない、という思いを、気は進まないけれど、受け入れつつある。
夏の間にレコーディングした「渚」という曲は、打ち込みのドラムから作ってみたものだった。要はヒップホップ的な発想で「ビーツ」から始めてみたというわけだ。
ドラムのパートをまず作って、その次にピアノの音でコードを付けてみて、その次に適当に思いついたシンセサイザーのフレーズをいくつか足してみて、メインの歌のメロディーは、結局最後に考えた。
案の定、出来は「まぁまぁ」だったけれど、今までこだわってきたやり方を捨てた新鮮さを感じられるものにもなった。
この曲のメロディーは「天から降ってきた」ものではなく、いわば地面を掘って誘い水をして汲み上げた地下水のようなもの。
この水が飲料に適するものなのかどうかまだ確信が持てないけれど、少なくとも降りそうもない雨を空しく待つよりは、今なら必死こいて地面を堀るほうが、まだいいのかもしれない。
そう思って、この2日間は雨乞いを完全に放棄してスコップ片手に地面と格闘。
水はチョロチョロと湧き出している。ええい、なんなら温泉でも出てこい。