2013年10月26日土曜日

今さら「プール」のことなど。


夏の間、少食でガリガリだったんですが、また食い出しました(笑)。
食欲の秋だもん。太るぞう。
新川です。どうも。

ちょっと前の映画ですけど、大森美香監督の「プール」という作品を、昨日DVDで観たんですが、これ、なかなか良かったです。
「かもめ食堂」から、今のとこ最新作の「東京オアシス」まで続く小林聡美さん主演のスローライフ讃歌みたいなシリーズのうちの1本ですね。わりとこのシリーズが好きで全部観てるんですけど「プール」だけ観たことなかったんですよね。で、まぁ、観てみようかなと。
個人的には「マザーウォーター」という作品が、観た中では一番気に入ってたんですが、これはちょっと「プール」のほうが勝ったかもしれません(笑)。
なんというか、シリーズの中では一番「映画的」な印象を受けました。・・・「映画的」ってのがどんなものなのかよくわかんないですけども(笑)、いや、なんかあるんですよ。ぼくの中で(笑)。「うぉー、映画」って思うやつが(それは感じるものなので言葉では説明できません)。
あの・・・詳しい内容は映画をご覧になって頂くとしてですね(笑)、ぼくが小学生のとき、学校で週に1回「道徳」っていう授業があったんですけど、この映画は「道徳」のテーマに使ったら面白いんじゃないか、なんて。
この映画の小林聡美さん演じる主人公を、どう思いますか?っていう問いかけでね、話し合いをさせたら「自分勝手だ」「いや、良いと思う」「よくわかりません」っていうのがパックリ分かれてまとまんなくていいんじゃないかと(笑)。
いやいや、それがこの映画のポイントでは全然ないんですけどね。そういう問いかけを否応なく孕んでしまってはいるんですけど、そこに答えを出そうというのではなくただ、そういう人を見つめた映画で・・・そこが素晴らしかったですね。
さらに、劇中で小林聡美さんが、2曲、歌を歌うシーンがあるんですが、その1曲をなんとご本人が作詞作曲されているんですね。「君の好きな花」っていうタイトルで、これがすごいイイ歌なんですよ。スタンダード感のある、ちょっとユーミンっぽいメロディーで。てっきり誰かの昔の歌のカバーなんだと思ってたら、エンドロールのクレジットを見てびっくりしました。多才な方ですね。これで監督もやったら、日本のジュリー・デルピーです(笑)。
ともあれ、この「プール」。のんびりした気分で観られるけれど、陳腐な癒し系ではない、ビタースウィートな佳作だと思います。
興味を持たれた方は、秋の夜長の1本にどうでしょう。

それではまた。