2016年2月12日金曜日

空から降ってきたメロディー。


次回作の制作、グッツグツに煮詰まり中です。何かを根本的に見直したほうがいいかもしれない、というお約束の思考に陥って目下脳停止(笑)。
新川です。どうも。

最近よく思うんですけど、曲を作る能力って「応用力」のことじゃないかって気がするんですよね。まぁ、広くモノ作り全般に言えることかもしれませんけど。
「オリジナル」な作品などない、とはよく言われることですが、天才と呼ばれる作曲家もまったくのゼロから新しい音楽を作るなんてことはできなくて。
やっぱりそれまでに蓄積された「音楽の記憶」を上手いこと応用して、新しい音楽を生み出してるはずなんです。つまりその「天才」は、人並みはずれた応用力に長けているってことだと思うんですよね。
実際のところ「新しい音楽」とは、「新しいものに聴こえるよう再構築された音楽」と言ったほうが正確なのかもしれません。もちろん、それを作り出せる人を「作曲の才能がある人」と言ってもインチキにはならないでしょう。どのみちそれは特別な能力ですもの。
ですから、音楽制作にサンプリング(とくにヒップホップのシーンにおける、既存のレコードを音源としたサンプリング)という手法が出現したとき、その非常に斬新なスタイルへの熱狂と同時に「そんな泥棒みたいな手口を作曲とは言わない」という批判も噴出したわけですけど、実はこれこそ作曲家が日常的に行っている行為そのものじゃないかと思うんです。ただし頭の中で、ですけどね。つまり作曲というのは、言わば「脳内サンプリング」のことだと・・・もう、この際断定(笑)。

ところで、実際に既存のレコードだけを音源にサンプリングミュージックを作ってみようとすると、これが非常に骨の折れる作業なんです。複数のレコードから気に入ったフレーズを選び、上手くミックスされるようテンポやピッチの微調整を繰り返し、相性が悪ければ、またレコード棚と格闘し・・・なーんてことやってるとワンコーラスどころか4小節作るのにも膨大な時間と手間がかかるんですが、「脳内サンプリング」では物理的な制約を受けませんので、これを一瞬で、場合によっては無意識のうちにやってしまうことになります。これが「メロディーの閃き」の正体です。
「道を歩いてたら空から降ってきた」なんていう言い方もありますけど(ぼくもそういう考え方は嫌いじゃありません。ロマンチストですから、ええ)、でも、そんなものはまやかしです(笑)。幻想の摩天楼です。もう、この際断定(笑)。

・・・なんだか意地悪な分析になってしまいましたが(笑)。いや、最近ぼくはこの「空から降ってきたメロディー」を信じられなくなってきたんです。パッと閃いたものに魅力を感じないんですね。以前はそういう閃きに興奮できたんですが、年のせいなのか・・・。空に向かって「ワンパターンだよ!」って叫びたくなる(笑)。「そういう系はもういいよ!別なヤツなぁい!?」(笑)。
しかしまぁ、空に向かって文句を言っても問題は解決しません(狂ったヤツだと思われるだけです)。映画「インサイド・ヘッド」とか「脳内ポイズンベリー」じゃないけれど、やっぱり問題はぼくの頭の中で起きてるんだと。
かくして以上のようなゴタクをついダラダラと・・・最後まで読んでくれた人ありがとう(笑)。次の瞬間に忘れてね。

それではまた。