2016年8月19日金曜日

10年後。


もうじきアナログ発売。ワクワク(実は、ぼくもまだ現物を目にしてません)。
・・・「sweet hereafter」は、10インチ盤とはいえ、あの冗談みたいなジャケットはやっぱりどうにかすべきだったかしらん。
新川です。どうも。

昨夜は、友人のバンド、SPIROとHoneydewが共演するイベントがあって、久しぶりにライブハウスへ足を運びました。バンドの演奏はもちろん、友人たちとの再会の時間を大いに楽しみました。SPIROのメンバーに会うのは、ほぼ10年ぶりだったんですが、会うなりお互いに「全然変わってない!」(笑)。まぁ、そんなものなんでしょうねぇ。

SPIRO(「スパイロ」と読みます)について話しましょう。
遡ること15年前。件の「sweet hereafter」を、インディーレーベル、Memory Labからリリースすることが決まったとき、主宰の高橋健太郎さんから「レーベルメイト」の作品をいくつか紹介してもらって。
その中でぼくが一番気に入ったのが、SPIROの前身バンド、The Applesの「憧れ矢印」という奇妙なタイトルのアルバムでした。
「インディーズ!」感全開のジャケットながら(笑)、内容は良質なポップ・ロック・アルバムで、CDをかけながら歌を口ずさむくらい繰り返し聴きました。
The Applesは、中嶋佑樹くん(ヴォーカル/ギター)、黒田隆憲さん(ベース)、ビッケさん(キーボード)からなる三人組で、とりわけ黒田さんの紡ぐ優れたメロディーに乗っかる中嶋くんの詞の世界が実にユニークで、「コイツは天才だ」と思いました(笑)。
その後、ファンとして彼らの活動を追いかけているうちに、黒田さんにはぼくのライブのサポートメンバーとしてベースを弾いてもらうようになり、中嶋くんとは同い年ということもあって初対面から意気投合し、親友になりました。
2004年(だったかな?)、The Applesは「SPIRO」と改名、別のレーベルからアルバムを発表するのですが、ほどなくして、黒田さん、ビッケさんが脱退。事実上の解散だったにも関わらず、中嶋くんは新メンバーを迎えてSPIROを続行します。
以降も、ぼくは新生SPIROの活動を見守り続けましたが、メンバーの急逝という非常にショッキングな出来事があり、バンドは厳しい状況に追い込まれました。
それでも中嶋くんはしぶとく、その後はメンバーを固定せず、しかし「SPIRO」という名前はそのままにライブ活動を継続していきます。そしてこのころから、なぜか彼は山賊のようなヒゲを生やし始め、現在に至っています。何かの決意表明だったのかもしれません(笑)。

で、まぁ、疎遠になってったのは、そっからですかね(笑)。ヒゲが原因ではないけども(笑)。黒田さんとは、ぼくがライブ活動を凍結したために会うこともなくなりましたし、中嶋くんとは、実は一緒にバンド・・・というかユニットをやろうと持ちかけたんですけど、あんまり上手くいかなくて(笑)。「・・・ちょっと距離を置こう」みたいな(笑)。実はこのとき中嶋くんと実現できなかったアイデアのいくつかが、「Paintings of Lights」や、さらにはLampとやったネットラジオ「灯放送」に昇華していくんですけど。

そんなこんなで、彼らのことは、たまーに風の便りに聞く程度の関係に落ち着いて。気がつけば、10年近く経ってしまった今。
嬉しいことに、近年親しくなったHoneydewが、SPIROといつの間にか勝手に知り合って(笑)一緒にイベントをやっているという・・・しかも、これこそ「いつの間に!?」でしたけど、SPIROのメンバーに黒田さんが復活している上に、長年バンドのマネージャーとして顔なじみだった武井さんが、なぜかドラマーとして加入しているという、このビックリ展開。
「これは一度観に行かねば」ということで、昨夜久しぶりに目にしたSPIROのステージ。案の定、中嶋くんと黒田さんが、かつてのように並んで演奏している姿にジーンと来てしまいました(笑)。しかも、The Apples時代の名曲「雨男」まで演ってくれて、これはねぇ、ちょっとヤバかった、涙腺が(笑)。
別れ際、武井さんに「じゃ、また10年後!」と、元気いっぱいに言われてしまったのは腰砕けでしたけど(笑)、いや、また観に行きます。今度は「憧れ矢印」を演ってください(たぶん、号泣します)。

それではまた。