2017年4月14日金曜日

自転車泥棒。


つい先日、自転車を盗まれてしまいました。
まぁ、7~8年乗り回したボロチャリで、いいかげん買い替えようかと思っていた矢先だったんで、むしろ盗まれてせいせいしたんですが(笑)。
新川です。どうも。

『自転車泥棒』という映画をご存知でしょうか。
1948年のイタリア映画で、監督はヴィットリオ・デ・シーカ。映画ファンの間ではクラシックの名画として、とても有名な1本です。
舞台は第二次世界大戦終結後のローマ。長く失業していた妻子持ちの男、アントニオは、どうにか工面したお金で手に入れた自転車に乗って、就職難の中ようやく見つけた「ポスター貼り」の仕事に精を出します。ところが仕事中、大事な自転車を誰かに盗まれてしまいます。アンオニオは一緒についてきた小さな息子を連れて、自転車泥棒を血眼で探し回るのですが・・・というストーリーです。

ちなみにDVDのパッケージなんかを見ると、ストーリーは結末まで全部書いてあります(笑)。ラストシーンが有名な作品なんですね。
ネタバレになっちゃいますけど、もう思い出すだけで胸が痛くなる、非常に厳しく悲しい結末を迎えるこの映画、ぼくの「トラウマ映画」のオールタイムベスト(笑)、ぶっちぎりのナンバーワンです。
「トラウマ映画」は他にもあるんですけど、ぶっちぎりの理由は、これが初めて観た「ハッピーエンドじゃない映画」だったんです。この体験は強烈でした。
小学生のときだったと思うんですけど、たまたまテレビでやってたのを見ちゃったんですよね。間違って見ちゃったんです(笑)。
当時から映画は好きでしたけど、何せ子供ですから、観るのはSF/アクションモノの娯楽大作ばかりで、NHKで放映されるような白黒のクラシック名画なんてぜーんぜん興味なかったんですが・・・なんか、妙に見入っちゃったんです。
今にして思えば、やっぱり脚本が優れてたんですよね。自転車泥棒を追いかけるサスペンスの面白さにグイグイ引き込まれましたし、あと、主人公の小さな息子がくっついてくるっていう設定が効いてました。あの男の子に感情移入できたおかげで、子供ながらに見入ってしまったんだと思います。
しかも主人公が次々とヒドい目に遭うので、なんとしてもハッピーエンドを見届けたかったんです。幼いぼくは、映画というのはハッピーエンドで終わるもんだと思ってたんです。ところが、まさかの「えっ!ここで終わり~~!?」(笑)。
いっちばん悲しい場面で映画が終わっちゃったんです。もう、信じられない、絶対これ「後編」が明日放送されるはずだと思って(笑)、新聞のテレビ欄をチェックしたんですけど、続きがあることを示す言葉はどこにもありませんでした。
たぶん、その後気絶したと思います(笑)。もう、あまりのショックで。その後の記憶がすっぽり抜け落ちてますから。

それ以来、『自転車泥棒』は、未だ観返していません。というより、観返せません。
先に述べた実際の自転車泥棒の被害にビクともしなかったのは、映画の『自転車泥棒』のほうが、よほどトラウマになっていたせいもあるかもしれません(笑)。

それではまた。