2017年4月28日金曜日

どう観たらいい?


仲間のミュージシャン、アーティストたちの動きが、にわかに活発になっています。
ここはひとつ、ぼくもエキサイティングな話題を提供しなければ。
新川です。どうも。

というわけで、こないだDVDで観た映画の話など(笑)。
『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2016)というアメリカ映画で、まぁ、例によってTSUTAYAでなんとな~く借りた1本・・・エキサイティングでしょ(笑)。
監督はノア・バームバック。個人的には、『イカとクジラ』(2005)、『マーゴット・ウェディング』(2007)といった監督作、それから大好きなウェス・アンダーソン監督の脚本の相棒といったことで注目し始めた監督です。
基本コメディーなんだけど「笑えねぇ~」っていう毒の盛り方が巧みな作風で、この「毒」のセンスは、日本の西川美和監督なんかに近いとぼくは思います。実に意地悪に人間を見ているなと(笑)。
で、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』。原題は『While We're Young』なんですが、邦題はたぶん日本の配給会社のひとが、ジェイソン・ライトマン監督の『ヤング・アダルト』(2011)に近づけようとして付けたと思われます(笑)。
まぁ、要は「オトナになれないオトナ」モノの作品で、主演はベン・スティラーとナオミ・ワッツ(ついでにビースティ・ボーイズのアドロックが、なぜか役者として出ています。「サボタージュ」で絶叫ラップしてたひととは思えない別人ぶりで)。
個人的には絶賛にこそ至りませんでしたが、注目すべき描写や爆笑ポイントは盛り沢山で、なかなか面白い作品でした。

内容よりも興味深かったのは、この手の「オトナになれないオトナ」モノ・・・年齢に見合ったライフスタイル、地位や名声、家庭、そういった諸々の「理想」をいつまでも手に入れられず、あるいは「これでいいんだ」と開き直りながらもぐらついているオトナたちを描いた作品ですよね。もうかなり長いこと映画やドラマの定番のひとつになってると思うんですけど、その「オトナ」の年齢設定が、やっぱり年々上がってるな(笑)っていうとこでした。
たとえば、90年代にぼくが観た「オトナになれないオトナ」モノの登場人物の年齢は、20代後半が主流だったような気がするんですけど(「もう30だよ?どうするの?」みたいなやつね)、2000年以降は、30代半ばからアラフォーまで引き上げられて(「もう40だよ?どうするの?」)、2010年代後半の今、件の『ヤング~』ではついにアラフィフまで来ちゃった(ちなみに「オトナになれない」主人公を演じたベン・スティラーは現在51歳。同じくナオミ・ワッツは48歳)。

この事態をどう受け止めていいのか(笑)。いや、ぼくはもう完全にこういった作品の「ターゲット」に入ってるわけですよ。揺れ動く中年として(笑)。「他人事ではない!」っていうね。
こういう映画を観て、安心すればいいのか、自分のことを省みるべきなのか・・・「どう観たらいい?観て何を思うのが正解?」って、制作者に訊きたいです(笑)。
「カネを払ってくれればいい」とかいう答えが返ってきたら、もうそいつにはドロップキックをお見舞いします。

それではまた。