2017年7月21日金曜日

密かなセルフ・ポートレート。


引き続き、グンニャリです(笑)。
もう、暑い。夏、大キライ。
新川です。どうも。

昨日ツイッターでもボソッとつぶやきましたが、映画『アメリ』(2001)で知られるフランスの女優オドレイ・トトゥ(大ファンです)が、プライベートで撮り続けていたというセルフ・ポートレートの写真作品が、このほどアルル国際写真フェスティバルで初公開されたという記事を目にしまして。
その中で紹介されていた数点の写真を見てびっくりしたんですが、有名人のインスタなんかでよく見かける、まぁ、いわゆるプライベート・ショット的なものとは明らかに趣を異にする、それらは「作品」だったんですよね。少なくともぼくはそう感じました。っていうか、個人的にすごく好きなタイプの写真だった(笑)。撮影方法にしても、かなり凝ったことをやっていて。
さらにびっくりしたのは、その作品の数々を、オドレイさんはこれまで誰にも見せたことがなかったという話です(彼女はぼくと同世代ですから、写真を撮り続けていたという過去15年間は、もうすっかりネットで自己発信、どいつもこいつも「みんな見て見て~」の時代であったにも関わらず!)。その点が非常に興味深かった。

彼女の発言によれば、作品制作は「心のバランスをとるため」の自己表現行為だったとのこと。ただの「趣味」ではないのだ、とも。
このへんの感覚は、ぼくには計り知れないものがありそうです。ぼくはたびたび音楽活動は趣味だと言い切ってきましたし(笑)、また「みんなの注目を集めたい!」という強烈な野心こそないものの、作った以上はやっぱり誰かに聴いてほしいと素直に思う人間ですから。
一方、オドレイさんはいわゆる「スター女優」です。おそらく誰にも「消費」されない自分をも表現したいという欲求が、彼女を密かなセルフ・ポートレート制作という行為に向かわせたということでしょうか。
それにしても面白いのは、それがやたら気合い入ってる(笑)ところなんですよね。軽いノリでやってないっていう。お芝居と同様、やっぱりクセ者ですね(笑)。

今回作品を公開することにしたのは、「自分自身を解放したいと思った」のだとか。ぼくももうじきですが、40歳という節目を越えて「もう分け隔てることもない」という境地に達したんでしょうね。
作品はひとの目に触れて初めて作品になる、と言いますが・・・いやいや、ちゃんと「作品」になったじゃないですか、オドレイさん。ますますファンになりましたよ。

それではまた。