2018年5月25日金曜日

プロ。


SSWおじさん登場。ででーん♪
新川です。どうも。

こないだ、とある町の中華料理屋(いわゆる「町中華」ね。ぼくの好きな)に入ったときのこと。
平日の午後3時というハンパな時間のせいか、店内はガラガラ・・・っていうか、客ぼく一人だけで(笑)、まぁ、気兼ねなしにラーメン食べてたんです。
しばらくするとお客さんがもう一人やってきて。30代くらいの、これといった特徴のないフツーの男性だったんですが、テーブルに着くとひと呼吸置いて、
「八宝菜。それから瓶ビール。・・・今日はビールにします」
と、淡々とした口調で注文をしました。
その様子を見て、ぼくはすぐに思いました。「この男・・・デキル」(笑)。
平日の午後3時台に一人で中華料理屋に入って八宝菜と瓶ビールを頼む・・・これはプロです。間違いなく「町中華」のプロです。
「平日の午後3時台に一人で」ってとこまではぼくも同じですが(笑)、町中華でビールを飲むんだったら、ぼくはやっぱり餃子かレバニラを頼んじゃいます。ここがアマチュア・・・アマチュア・ミュージシャンたる所以です(笑)。でもプロは違う。八宝菜!八宝菜ときた!素人には出てこない発想です。それからビールを中ジョッキではなく瓶で頼むのも典型的なプロの手口です。
そして最後の「今日はビールにします」というひとこと。言うまでもなく、男はこの店をもう何度も訪れていることを意味しています。かつ、いつも同じものばかり注文せず、時折変化をつけるチャレンジ精神の持ち主であることも窺わせます。
すなわち手練です。おそらく修羅場も何度かくぐっていることでしょう。きっと拳銃や刃物を突きつけられても、男は顔色ひとつ変えないに違いありません。顔色ひとつ変えないで八宝菜と瓶ビールを頼むのです。これはそういう男なのです。とんでもないやつだ(笑)。

というわけで、ぼくがラーメンを食べ終えたころ、アツアツの湯気のたった八宝菜の皿が男のテーブルに運ばれていきました。それはそれは美味そうでした(やはりプロめ、この店の八宝菜が美味いことをよくよく知っていたのだ)。ぼくはプロがこのあとどんな攻めに出るのか延々観察してやりたかったのですが(笑)、そういうわけにもいかないので勘定を済ませて店を出ました。去り際にもう一度プロの様子を窺いましたが、美味そうに食べてましたねぇ、プロ(笑)。今度この店に来たときは、必ずやあの八宝菜を食べようと心に誓いました。

それではまた。