2020年6月5日金曜日

豆腐屋のレガシー。


「冷たい奴」と書いて「冷奴(ひややっこ)」って、なんかいいよね。
新川です。どうも。

こないだ近所の豆腐屋の近くを通りかかったときにね、店のほうから出し抜けに、

「うおおりゃあああああっ!」

っていう雄叫びが聞こえて(笑)。
な、何事?と思いながら店の中を覗いたら、店の大将(「大将」って呼び名がぴったりのジイさん)が、両手に抱えた大きなズンドウから大量の大豆を機械の中に流し込んでいるところで。
どうやら大豆が詰まったズンドウを持ち上げた際に発した声だったようです(笑)。いや、あれは絶対重いよ(そりゃ大将も雄叫び上げるわ)。

その豆腐屋さん、素敵な店なんですよ。まだ一度もそこで豆腐買ったことないんだけどね(笑)。店の中で大将が豆腐を作ってる様子が往来から少し見えるようになってるんだけど、それがすっごく良い雰囲気なんです。冬の日の朝とか、とくに。
通りかかるたんびに少し歩をゆるめて、その様子を眺めるわけ。「あ、大将、今日も豆腐作ってんな」と。それで少し心が和んだり、背筋が伸びたりするんですね。

想像だけど、たぶんかなり長いことやってるお店だと思います。建物はすっかりイマ風で、ぼくがグッと来るレトロな感じはないんですけど、よくよく観察してみるとそこかしこに古い時代の面影が残ってるのがわかります。
おそらく元はだいぶ古い建物だったのをリフォームしたのではないかと。あと立地も少し不自然なんですよ。「なんでこんなとこに豆腐屋が?」っていう場所にあるんですけど、そういう店は怪しいんです(笑)。長年町歩きを趣味にしてると、そういうとこ目ざとくなるんですね。「なんかイマっぽい感じにしてるけど、この店相当昔からここにあるな」と。ぼくにはバレてる(笑)。
何より、豆腐なんて今やほとんどのひとがスーパーマーケットで買う時代に、一軒の豆腐屋として営業してることそれ自体が、「長年生き残ってきた」ことの証じゃないでしょうか。「お豆腐は、この店のじゃないとね」ってお客さんが、それだけいるってことでしょう。そんなお客さん、昨日今日でゲットできるもんじゃないもの。やっぱりスーパーやコンビニ以前の時代から、町のひとたちにずっと親しまれて残ってるお店なんだと思います。

でも、そんな常連客も店の大将も、さすがにもう高齢でしょうからねぇ。若い世代のお客さんとか後継ぎとか、この豆腐屋のレガシーを残す土壌はあるのかしら?どうかなくならないでほしいと思いますけど・・・。
そう思うんだったら、そこで豆腐買えよって話ですよね(笑)。スンマセン、ぼくも結局豆腐はスーパーで買ってる人間なので・・・今度そこの豆腐を一丁買いに行こうと思います。
ところで豆腐屋で豆腐買うときって、やっぱり家から入れ物を持参しなきゃいけないんですかね?こう、ナベ的なやつを(それ、時代が古過ぎる?)。

それではまた。