実は年明けからずっと禁煙してるんですが(人生初)、意外と平気ですね。どうってことない。このままやめられそうです・・・というのはウソで毎日しっかり誘惑と戦ってます(笑)。
新川です。どうも。
さて、90’sヒップホップの話題でしたね。先週の続きを話しましょう。
「お洒落なBGM」という切り口で、90年代のヒップホップを楽しむようになったぼくでしたが。
この音楽にさらなる興味を掻き立てられたのは、その独特な「音の作り方」でした。
いわゆる「サンプリング」の手法を大胆に用いた音楽だということを知ったんです(今ではおなじみですけど、当時はまだ画期的な制作方法でした)。
どういうことかというと、作り手はまずサンプラーという機材を使って、複数の音源からその一部分を採取(サンプリング)します。そしてそれらの「音の断片」をループさせたり、上手い具合に組み合わせたりして、1曲のオケ(トラック)を作るわけです。
で、ここがポイントなんですが、その「音源」というのが主に市販のアナログ・レコードなんですね。つまり「他人の楽曲」を使っちゃうんです。
この制作方法を初めて知ったとき、ぼくはビックリしました。「いいのか!そんなことして!」(笑)。
それって新手の盗作じゃないか!元ネタのミュージシャンに訴えられたりしないの?そう思っていたら、ヒップホップのひとたちは年がら年中訴えられているということがわかって(笑)。「そりゃそーでしょ!」みたいな(笑)。
でも同時に、というかそれ以上に、「面白い!」って思ったんですよねぇ。
そういう「普通と違う音楽の作り方」があるってことを初めて認識して、そのことにものすごく興奮したんです。
あと、あの時代サンプリングで作られたヒップホップの音って、まぁ、悪く言えば「汚い」んですよ。何しろ音源がキズだらけの古いレコードだったりするわけですからね。無理もないんです。
でも、その「汚れた音」が、むしろカッコ良かった。いわゆる「ローファイ」の魅力ですよね。その感覚もまたぼくには新しくて、非常に刺激的でした。
それから何年か後に・・・結局ヒップホップとは全然違うジャンルのシンガーソングライターとしてぼくはデビューするわけなんですけど(笑)、でもこのとき「普通と違う音楽の作り方」や「ローファイ」の魅力に目覚めていたことが、その後のぼくの作品制作の土壌になっていたんですね。
ですから90年代のヒップホップとの出会いは、ぼくにとってけっこう重要な出来事だったんです。
じゃあ、また何か1曲紹介しましょう。90年代を代表するラップグループのひとつ、デ・ラ・ソウルのナンバーをどうぞ。
> De La Soul / ‘’Ring Ring Ring (Ha Ha Hey)’’ (1991)
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というわけで、2回に渡って90’sヒップホップについて話してみましたが、いかがだったでしょうか。
たぶん、これまでのぼくの音楽を気に入ってくれたみなさんの多くは、そこが疑問だったと思うので(笑)。
その関係性が、新作の『Street Illusion』でどのように表現されたのかは、聴いてのお楽しみです。
それではまた。