2023年3月10日金曜日

人間だもの。


今1曲アレンジの作業をやっているところなんですけど、イントロの「長さ」で悩み中です。

新川です。どうも。


思いつきで、やや長めのイントロを付けてみたものの、「この長さは曲の演出としてそれほど効果的なんだろうか?」と。先週紹介した冨田恵一さんの本の影響で、そんなことが気になり出して。

もっとも、今で言う「タイパ」を考慮すると「イントロが長い」時点でNGってことになっちゃうんでしょうけどね(笑)。

だからそういうこと考えると、冨田さんとはまたタイプが違いますけど、ヒャダインさんみたいなプロデューサーもスゴいですよね。つまり音楽性を重視するリスナーじゃなくて、それこそ「イントロが長かったら聴かない」っていうお客さんを相手に音楽を作ってるわけじゃないですか。まぁ、賛否はともかく、それが「できる」っていうのは、やっぱりスゴいと思います。


ところで、最近ふと気づいたんですけど・・・そういう「イントロが長かったら聴かない」みたいな「タイパ」を重視する風潮って、現代社会の病みたいによく言われるじゃないですか。実際ぼくも、映画を倍速で観る若い人たちの話とかを初めて聞いたときは「うわー、狂ってる」と思ったんですけどね、正直。

でもよく考えてみたら、昔ビデオが世の中に普及したとき、すでに人々は「面白くなければ早送りで観る」っていう不埒な行為に及んでたんですよね(笑)。ぼくだって退屈な映画やドラマを早送りしながら観たことはいくらでもありますよ。ゴダールの映画なんてほとんど全部早送りで観たもん(笑)。全然人のこと言えないですよ。


だからタイパ重視なんて別に今に始まったことじゃなくて、そもそも人はせっかちな生き物なんだっていう(笑)、それだけのことのような気がして。

だって、たいていのことは「なるべく短い時間で済ませたい」って思うものじゃないですか。あるいは「短い時間で済ます」ことが可能なら、そっちを選ぶ人がほとんどだと思うんですよね。

ゆえにぼくらは「みっともない」「集中してない」と言われても、二つのことを同時にやりたがるし、「早送り」のボタンがあったら押してしまう。これはもう、どうしようもないのかもしれません。「人間だもの。みつを」ということで(笑)。


それではまた。