長年髪を切ってもらっていた美容師のSちゃんが、今月いっぱいでお店を辞めることになったので、先日挨拶も兼ねて「切り納め」をしてもらってきました。
新川です。どうも。
もう、かれこれ15年近く前になりますかね。当時通っていた美容室に、若い女の子のスタッフが二人、新しく入ったんです。
で・・・どうしてそうなったのか記憶がないんですけど、その後お店を覗くといつもその二人だけがいて、しかもお客もいない中ヒマそうにしてるっていう（笑）、そういう状況が続くようになって。以来ぼくは、髪を切ろうと思ったら予約もせずにお店に行って、ヒマそうにしている二人のうちのどちらかに髪を切ってもらうようになったんです（笑）。
そのうち、ぼくは二人のことをそれぞれ「Sちゃん」「T」というニックネームで呼ぶようになり、二人もぼくの顔を見ると「あ、シンカワさん」と声をかけてくれるようになりました。かくして我々は（その後長きにわたる）馴染みの客と美容師の関係を築いていったわけです。
ぼくは彼女たちと交わす他愛のないおしゃべりが好きでした。そして会うたび決まって出る話題は、お互いの「変わり映えのない日常」に対するボヤキでした（笑）。
しかし歳月が経つと、そんな彼女たちを取り巻く状況にも変化が出てきます。
まず諸般の事情で二人とも隣町にある別の美容室に異動することになって、ぼくも彼女たちを追いかけるような形でそちらのお店に通うようになりました。その後はもうキャリアを積んだベテランとして二人ともすっかり多忙になり、ぼくもちゃんと予約を入れてからお店に行くようになりました（笑）。
それから数年後、Sちゃんが結婚。でも仕事は普通に続けてて。で、去年、とうとう40歳になったTも結婚。しかもデキ婚（笑）。ここへ来てまさかのコトブキ退職を果たした彼女は（去年挨拶に行きました）、今年の1月に無事女児を出産。これを機に美容師の仕事は引退して、当面は育児に専念するつもりらしいです。
そして3ヶ月ほど前、Sちゃんから「実はシンカワさん、わたしもお店、辞めることになったんです」と告げられて・・・。
聞くと旦那さんの仕事の関係で、長年暮らした地元の埼玉から、なんと沖縄に移住することになったんだそうです。それもまた急に決まった話だったらしくて、Sちゃんもまだ戸惑っている様子でしたが・・・いや、ほんと、人生って何が起こるかわからないものですね。
というわけで先日Sちゃんにもお別れの挨拶をして、我々のささやかな（でも地味に長かった）歴史にも幕が下ろされることになった次第です。
かつて「変わり映えのない日常」をボヤいていた彼女たちの（笑）新たな人生が幸福なものであることを、心から願ってやみません。
それではまた。