2023年12月22日金曜日

恋人たちのクリスマス。


もうすぐクリスマス。でも今年はなぜか山下達郎さんの「クリスマス・イブ」を全然耳にしていない気がするんですけど、たまたまですかね?

新川です。どうも。


それとも「今年は山下達郎はちょっとアレだからNGで・・・」みたいなことになってるのかしら(笑)。山下さんのイメージダウンが原因で、あの名曲もとうとうクリスマスソングの定番から外されちゃったのかな。だとしたら残念な話です。

個人的にはマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」(原題「All I Want for Christmas is You」)を、クリスマスソングの定番から除外すべきだと常々思ってるんですけど(笑)。ぼくは初めて聴いたときからあの歌が嫌いで(笑)。いや、好きなひとには申し訳ないんだけど、そう思わざるを得ない伏線があったんですよ。


何度も話してきたように、ぼくはリアルタイムの90’sR&Bファンだったので、当然マライア・キャリーの存在は’90年のデビューからよく知っていて。

当時はまだ日本での知名度は低かったですけど、R&Bファンや洋楽ファンの間ではスゴい歌手が出てきたと大騒ぎでした。ぼくもその圧倒的な歌唱力とチャーミングさに釘付けになりましたよ。初期の「Vision of Love」とか「Emotions」は大好きなナンバーでした。

でも「やっぱり」というべきか(笑)その後のマライアは、我々コアな音楽ファンを失望させる方向にどんどん突き進んじゃうんですね。もう、わかりやすく「売れれば売れるほどつまらなくなっていくアーティスト」になっちゃうわけ。

で、件の「恋人たちのクリスマス」は、その最初の頂点みたいな曲だったんですよ。クリスマス商戦で盛り上がることだけを目的に作られたような能天気な曲調は、もはやR&Bですらなかったし、おまけに日本のテレビドラマの主題歌に使われたんです。洋楽ファンが一番ガッカリする展開ですよね(笑)。だからそれまでの流れを踏まえると、もう完全にセルアウトしたとしか思えない曲だったんです。


もっとも今となっては、当時のマライアのセルアウトも、それこそお色気路線への転向も、必ずしも本人の意思ではなかったかもしれないと推察はできますよ。やっぱりまだ年若いスターが、金儲けがしたい周りの大人たちに翻弄されてしまうことはよくありますからね。巨大なエンターテインメント・ビジネスの世界で、抗えない流れにただただ巻き込まれていただけだったのかもしれません。

でも当時のぼくはまだ十代で、そんなオトナな視点や考え方など微塵も持ち合わせていませんでしたから、ただただ怒り狂ってました(笑)。「なんだこのしょーもねぇ曲!」(笑)。「見損なったぜ!マライア」と。


というわけで、そんな思い出とパッケージになっちゃってるもんですから、ぼくは未だに「恋人たちのクリスマス」が好きになれないんです。

とくに、あの「デデッデ・デッデ・デッデ」っていうバカみたいなイントロを耳にすると、条件反射的に眉間に皺が寄ってしまいます(笑)。


それではまた。