2024年1月5日金曜日

能登。


今年一発目の更新ということで。遅ればせながら明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしく。

新川です。どうも。


それにしても、世の中的には決して縁起がいいとは言えない新年のスタートになってしまいましたね。まさか元旦から大地震に見舞われるだなんて・・・。

今回震源となった能登のほうには、20年くらい前に友人と旅行に行ったことがあるんです。いいとこなんですよねぇ。海辺の町並みが美しくて。味わいのある奥能登の漁村は、是枝裕和監督の映画『幻の光』(1995)の舞台にもなっています。

件の友人とぼくは『幻の光』のファンで、それがきっかけで能登に行ったんですよ。と言っても「とりあえずそっち方面行ってみよっか」みたいなザツなノリで(笑)。事前に宿泊先も決めない、若者らしいワイルドな旅でしたけどね。


それこそあの火事で全焼した市場とか、行きましたよ。露店で干物売ってるおばさんに「昼ごはん食べるとこ探してるんですけど、このへんでどっかオススメのお店ありますか?」って訊いたら「あ、そしたらね、あそこの店のアジのタタキを食べてください」って・・・「食べてください」って指定されて(笑)。で、指定されたお店で指定されたアジのタタキ定食を食べたら指定通りの美味でした(あの店も燃えちゃったのかなぁ・・・。あのおばさんは無事かしら)。


それから(どういう経緯でそうなったか忘れましたけど)、旅の最後に我々は能登の本島から少し離れた小島(?)に辿り着いたんです。たぶん『幻の光』のロケ地になった漁村を探してたんじゃないかな。そこはドンピシャの場所ではなかったと記憶してますけど、映画に近い雰囲気の素敵なとこでした。

そこにイイ感じの佇まいの民宿を見つけて。もう夕刻だったので「ここ、泊まれないかなぁ」と入っていったら、運良く部屋が空いてたんです。しかも夕食込みの宿代もすごい安かったんですよ。だからそれだけでラッキーだと思ったんで、クオリティに関しては別に何も期待してなかったんです。

ところが。部屋は二人で泊まっても広々と余裕のある清潔な和室。おまけに風呂から戻ると、テーブルの上いっぱいに舟盛りから何から海の幸のご馳走が用意されてて。友人と二人「え、なにこれ?夢?」(笑)。ほんと夢みたいでしたよ。お腹が苦しくなるまで美味しい魚料理をいっぱい食べました。あとでぼったくられるんじゃないかとヒヤヒヤしましたけど(笑)、そんなことはなかったです。もう最高の宿でした。20年前に偶然見つけてひと晩泊まったきりで、もうその宿の名前も場所も覚えてないんですけど。


あの民宿も、あの島の漁村も、今はどうなっていることか・・・とにかく一日も早い被災地の復興を願うばかりです。思いがけず思い出した旅の思い出でした。


それではまた。