2024年2月9日金曜日

違う!この音じゃない!


周期的にやって来る「プリンスばっか聴き期」に突入中。

新川です。どうも。


十代のころから今に至るまで、ぼくの音楽人生において最も強力なインスピレーションであり続けているプリンス。亡くなってからもう8年も経つんですねぇ。

でもプリンスの音楽はあまりにエネルギッシュかつソウルフル(かつエロティック)なので、作品を聴いてると彼がもうこの世にいないという事実なんて完全に忘れちゃいますね。


こないだ、仕事中に『Sign ’O’ The Times』(1987)が無性に聴きたくなって。

で、帰りの電車の中で聴こうと思って、イヤホンしてSpotifyでアルバムを探して聴いたんですよ(ちなみに『Sign ’O’ The Times』を配信で聴くのは初めてでした。黄金期のプリンスのアルバムは全部CDで持ってますから)。そしたら・・・あれ、なんなんですかね?配信でアルバムを聴くとたまにあるけど、曲ごとの音量がバラバラだったんです。それが気になって集中して聴けなくて。

それで、2020年にリマスターされたスーパー・デラックス版っていうほうを聴いてみたんですよ。そっちは音量がそろってるんじゃないかと思って。そしたら音量はそろってたけど、今度は音質が気に食わなくて(笑)。いや、もちろんリマスター版ですから、クリアでいい音なんですよ?でも「違う!『Sign ’O’ The Times』はこの音じゃない!」っていう、マニア特有のめんどくさいのが出てきちゃって(笑)。

おかげでものすごい欲求不満になって、家に着くなりCDを引っ張り出して聴いちゃいました(笑)。


やっぱり「慣れ親しんだ音」って、あるもんですね。たとえそれがヒドい音のレコードだったとしても、ひとたび愛着を持ってしまったら一生それを愛し続けるほかないのかもしれない(笑)。ただプリンスのレコードに関しては、独特の「音の悪さ」もまた魅力だったりするんですよ。『Sign ’O’ The Times』なんて、とくに。あれはちょっと音がこもってるのがいい味になってるんです。

そう考えると、リマスター版も良し悪しですね。音が良くなれば何でもいいってわけじゃない。

そういえばレコーディング現場でのプリンスは、基本的に全てをワンテイクでキメて(ぼくみたいに)同じ曲を何度もやり直すようなことはなかったと言います。その潔さと勢いでもって、あんなにエネルギッシュな作品を量産してたわけですよね。

だからプリンスのアルバムは、本来リマスターなんてすべきじゃないのかも。プリンス・イズムを尊重するなら、彼のアルバムは作り直したりなんかしちゃいけないんじゃないかな・・・って、まためんどくさいのが出てきちゃった(笑)。


それではまた。