子どものころは、「カニカマ」をカニだと思って食べていました。
新川です。どうも。
こないだスーパーへ行ったら、なぜかカニカマの特売日で。
鮮魚売り場の一角に、カニカマがびっちり並んでるんです。「お買い得!」なんて札と一緒に。
「そんなにカニカマを推してどーする」と思ったんですけどね。まぁ、ひとパック買いまして(笑)。推しに負けて。
で、家に帰ってサラダと一緒に食べたんですけど、食べながらふと「そういえば、昔はこれカニだと思ってたなぁ」と。それもけっこう長いこと・・・ヘタしたら高校生くらいまでカニカマはカニだと思ってたかもしれない(笑)。無邪気でしたね。
でも、あるとき「真実」を知らされたわけです。ぼくがいつまでも無邪気に「やっぱカニうめーな」などと言いながらカニカマを食べている姿を見て、おそらく両親は「・・・そろそろ本当のことを言わなければ」と決意したのでしょう。
「タダシ」と、母が言いました。「それはね、カニじゃないのよ」。
その瞬間、ぼくが手にしていた箸を落とし、凍りついてしまったことは言うまでもありません。母は続けました。
「それはカニカマボコ・・・略してカニカマと言ってね。ぱっと見、カニっぽい感じ出してはいるけど、実はカニとは全っ然関係ねぇサカナのすり身で作られた加工食品なの」と。
この、まるで「あなたは本当はこの家の子じゃないの」とでも言われたかのような衝撃的な告白に、ぼくはたいへんなショックを受けまして。すっかり気が動転し「ウ、ウソだーー!!」と叫ぶとそのまま家を飛び出しました。そして「そんなこと信じるもんか!」「大人はみんなウソつきなんだ!」などと叫びながら夜道を・・・もう完全に話盛ってますけどね(笑)。
いや、でも実際地味にショックだったような記憶がありますよ。「え、これカニじゃないの?」って真顔で・・・今思い返すとバカみたいですけど(笑)。
まぁ、でも、最終的にはその事実を受け入れました(あたりまえですね)。悲しいけれど、切ないけれど、カニカマはカニじゃないんだ、と。そうやってぼくは、またひとつ大人の階段をのぼったのでした。
それではまた。