去年出たD.A.N.のニューアルバム『NO MOON』を、最近よく聴いてます。
新川です。どうも。
D.A.N.といえば、ぼくはもうデビューから注目してきた大好きなバンドですから。件のアルバムのリリース情報は、当然イチ早くキャッチしてました。
が。去年はシルク・ソニックをはじめ最近のR&Bばっかり聴いてたんで、なかなかD.A.N.を聴くテンションになれなかったんですよね。いずれ聴こうと思いつつ。
で、先日ようやく聴いたわけなんですけど・・・傑作でした。もう、1曲目から興奮の連続で、全曲聴き終えた最後は思わず唸りました(う~)。
D.A.N.のアルバムは1stからずっと聴いてますけど、やっぱり着実にレベルアップしてますよね。そのプロセスは「進化」というより「深化」という言葉がピッタリな気がします。彼らなりのポップミュージックの可能性を、ひたすらディープに掘り下げているような・・・まるで、かつて大衆の娯楽だった映画を「芸術」の域に高めようとしたヨーロッパの映画作家たちみたいに。
そういう意味で『NO MOON』は、ひとつの到達点のように思いました。テクノやロックを消化した「ポップミュージック」のアルバムではあるけれど、もはや「芸術作品」と呼んでいい内容ですから。
ただ、その芸術性のディープさゆえに、気軽にひとにオススメできるようなアルバムでないことも確かです。少なくとも、あいみょんとかヒゲダンとか好きなひとにはまったくオススメできない(笑)。
不穏なノイズだけでできた現代音楽みたいな曲がインタールードに使われてたりしますからね。そういった、いわゆる「お洒落なアート」感覚ではない、明らかに狂気を表現したサウンドのアプローチがかなり多いです。
詞の世界もスゴいです。ヴォーカル・櫻木大悟さんの書くD.A.N.の歌詞は、1stのときから天才的だと思ってましたが、今回はちょっと突き抜けてますね。
「手のひらに地球をもって ポタポタと落ちる海」(「Aechmea」)なんてフレーズが飛び出す始末ですよ。もはや手に負えません(笑)。
もう、恐るべし。です。恐るべし、D.A.N.。
こんなアルバムを作ってしまった彼らは、いったいこれからどこへ向かうのか?氷川きよしさんと同じくらい今後が気になります(笑)。
それではまた。