2024年7月19日金曜日

キープ・オン・ロッキン。


少し前の話題だけど、ミュージシャンによる「楽器破壊パフォーマンス」を巡って、ネット上で議論が起きていたみたいですね。

新川です。どうも。


なんでも、日本の某ロックバンドのベーシストの方が、ライブ中にベースをステージに叩きつけた映像をネットに上げたところ、「暴力的だ」と不快感を覚えたひとたちから非難が殺到して炎上してしまったんだとか。で、その出来事を受けて、かつてのロック・シーンではおなじみだった「楽器破壊」も、今の若い世代には受け入れられなくなってしまったようだ、みたいな話になって。

かくして「楽器破壊の何が悪い」派と「あんなもの時代遅れの野蛮な行為だ」派に分かれてヤンヤヤンヤみたいな。

ちなみにぼくは、楽器破壊パフォーマンスに関しては肯定派です。暴力的というより痛快なクレイジーさを感じるんですよね。なんなら自分でもいっぺんやってみたいという憧れが昔からあったりします(笑)。

それこそポール・シムノンがベースをステージに叩きつけようとしている写真を使ったクラッシュの『London Calling』(1979)のジャケットなんて史上最高にイカしたレコードジャケットだと思うし、ぼくの永遠のヒーロー、プリンスだってライブではよくギターを宙に放り投げてましたからね。あれがまたカッコいいんだ。

でも、そんな過激なパフォーマンスをするロック・ミュージシャンもいなくなって久しいんでしょうね、きっと。そんな「平和」な時代に生まれ育ったひとたちが「楽器破壊」に眉をひそめるのも無理はないかもしれない。


ただ、そもそもロック及びロック・ミュージシャンというのは、いつの時代も世間から眉をひそめられるような存在だったことを忘れちゃいけません。

ブルースを起源とするロックは、元来怒りや悲しみや狂気といったやり場のない感情をブチまけた音楽であり、アートだったわけです。そんなの眉をひそめるひとがいて当然なんですよ。というか、たいていのひとには嫌がられてしまうことが前提と言ってもいいですよね。

でも、同じ怒りや悲しみや狂気を抱えて生きているひとたちからは、深い共感と熱い気持ちを呼び起こす、それがロックの魅力なんです。


だから件の炎上騒ぎを起こしたベーシストの方がそれにどう対応したのかはわかりませんけど、そこはやっぱり「無視をする」が正解ですよね(笑)。

もうガン無視。文句なんて勝手に言わせておけばいいんです。そりゃ炎上するほど否定的な意見が多ければ多少はこたえるでしょうけど、中には「カッコ良かったです。シビれました」っていうひとたちだってきっといたはずです。

そのひとたちのためにこそ今後もベースを破壊すべき(笑)。まぁ、出費がかさんで大変かもしれないけど(笑)。キープ・オン・ロッキン。


それではまた。