2025年1月24日金曜日

コワい松重さん。


『孤独のグルメ』の劇場版、観に行ってみようかな。

新川です。どうも。


何を隠そう、ぼくはシーズン1のときからドラマ『孤独のグルメ』の大ファン。

ただ、シーズン7あたりからちょっと飽きてきて(笑)、それ以降は観てなかったんですけどね。でも最近アマプラでまた観始めたら「やっぱ面白ぇな」ってなって。それで公開中の劇場版も、ちょっと気になり出したわけ。

それにしても、今やすっかり「孤独のグルメの五郎さん」として親しまれる存在になった松重豊さんほど、俳優としてのイメージが変わってしまったひともいないんじゃないでしょうか。『孤独のグルメ』以前の松重豊さんと言えば、異常に威圧的でおっかない刑事とかヤクザの役でおなじみでしたからね。今の松重さんしか知らないひとには信じられないでしょうけど、マジで松重さんが出てくるだけでシーンに緊張感が走るくらいだったんですよ。それくらいコワいオーラを放つ俳優だったんです。

だからぼくが初めて『孤独のグルメ』を観たときは「へぇ~、松重豊って意外とウマそうにメシ食うんだな」と思って(笑)。そこが新鮮な魅力だったんですよね。さらにその後本人のメディア露出が増えると「へぇ~、松重豊ってこんなに気さくで楽しいひとだったんだ」と・・・まぁ、でも、コワモテの悪役俳優に限ってそういうもんですよね。「本人はイイひと」っていう。


でね。かつての「コワい松重さん」をもっかい観てみようと思って、こないだ黒沢清監督の『地獄の警備員』(1992)を観直したんですよ。いちおう松重さんの初主演映画ということで。

いや、昔ビデオで一度観たきりだったんですけど、記憶してた以上になかなかのトンデモ映画でした(笑)。やっぱ昔の黒沢作品もヤベぇなと。ちなみに松重さんの役は元力士の殺人鬼(笑)。で、そいつがなぜかビルの警備員に扮して、居合わせたひとたちを次々と血祭りに上げていくっていうホラーなんですけどね。

でも、このときの松重さんはまだかなり若くて(30前後くらい?)、今観るとコワいというよりクールな美青年という印象のほうが強かったですね。

それより、劇中で一人だけコメディー・ロールを演じた大杉漣さんのキチガイっぷりのほうがヤバかった(笑)。そういえば大杉さんはかつての黒沢作品の常連で、いっつもアタマおかしいひとの役ばっかやってたんですよね。忘れてた。だから昔の松重さんのコワさを再確認しようとして、結果的に大杉漣さんのヤバさを再確認することになったっていう(笑)。

でも、映画を観ててつくづく思ったんだけど、こんなトンデモ・ホラーで冷酷な殺人鬼を演じた若手俳優が、のちに愛すべき食いしん坊のおじさんを演じて国民的な人気者になるだなんて、いったいこのとき誰が想像できたでしょう?ほんと、人生ってわからないものですよねぇ。


それではまた。